欲しがります負けたって

オタク活動のお知らせと趣味記録用ブログです

一冊目の思い出話

お知らせブログ。むうです。先日通販開始のお知らせをしたところだったので一応報告を。

一冊目に頒布した『彼らを彩る世界の話』が完売いたしました。お求めくださった皆様、本当にありがとうございました。元々在庫が僅少でしたし、東京、大阪、通販と何度か頒布する機会もあったので、ご入り用の方にはいき渡ったのかなと思っています。WEB再録や再販は予定しておりません。

初めて頒布したのが2016年9月4日らしいので(奥付見ました)、だいぶ経っているにも関わらず今回お求めくださった方には改めて感謝します。嬉しいです。

 

 

自分用思い出話。蛇足ばかりですが。

初めて作った個人誌だったので思い出深いです。右も左も分からず、でも文庫にしたくて、必死で調べながら書体とかポイントを決めた記憶があります。ちなみにワードで作成しています。本に厚みがあるので、見返してみるともっと内側の余白をとっても良かったなって感じがしますね。

しらたきさんに作成をめちゃくちゃ手伝ってもらい、校正もやってもらいました。入稿する日には私の家に泊まり込んでくれましたね。笑 本当に有り難いです。彼女がいなかったら本は出ていないですし、この後の個人誌も作らなかったでしょう。

本全体を読み返すと、自分の好きな文章の感じを詰め込みたかったんだなと思います。私の好きな、「本人たちが登場していないのに、本人たちの様子が分かる」という文章だったり、「描かれていない場面で何が起こっていたのか想像できる」という文章だったり。拙い部分も多いですし、もっと補完しても良かったとは思いますが…これはこれで好きな感じなのでまーいっか!って感じです。

 

プロローグは当初ジョークで書いたものでした。昔流行った(私の周りだけかもしれませんが)いわゆる嘘予告って感じの。こんな本出したいなーって。モブものを何度も書いていたので、もしまとめて本にするんだったらこんな冒頭にしたいなと、楽しみながら書きました。「おう!オレもー!」という巻ちゃんの台詞があまりにハッピーで気に入っています。これぞ東巻って感じで。当時思いの外いろんな方からお褒めいただいて調子に乗りました。

『青春の瞬き』。タイトルは大好きな楽曲から。巻ちゃんに東堂さんのラブレターを託すモブ、という元ネタをフォロワーさんからいただいて書いたものです。東堂さんと巻ちゃんの描写に自分の好きが詰まっていますね。文字の描写とか、DVDの返却位置とか特に。自分が利用しないから知らないのですが、レンタルビデオ店って今でもレンタルビデオ店と呼ぶんだろうか、と思いながら書きました。

『雨宿りの恋』。巻ちゃんの妹は明確に公式ではない(と記憶している。確かサイン会情報でしたよね)と知りながらも、書いてみたいなーと思って書き始めたお話。初めて書いた東巻です。タイトルは好きだったドラマのタイトルからでした。本気の恋をちょっと休憩する妹ちゃん、というイメージでした。妹ちゃんは彼氏とのことを悩んでいて、一瞬、東堂さんのこといいなって思ったんだろうな。

『世界は彼らを祝福する』。短いモブの話を書きたくて、オムニバスみたいにすればいっかーって軽く考えて書いたのですが、話自体はあんまり軽くない…か?そうでもないかな。ひとつ目の話は自分が吹奏楽部だったのを思い出しつつ、大好きな楽曲のことを書いてみたくて書きました。ふたつ目は、書き進めていて最後の最後に恋人のことをああしてしまって、モブくんには申し訳ないことをした。桐の箱は日本人だけの文化らしいと何かで見て書いてみました。みっつ目はただひたすら東巻に対して思っていたことを書き連ねた感じですね。しあわせになれ!!という思いを込めました。後日談はとっても気に入っています。

「何と比べて?」という台詞は、とある番組でセクシャルマイノリティの方が言っていた心に刺さった言葉でした。よくいう「普通」と比べることは、巻ちゃんにとっては意味がないことだったんだなぁ。「こうあるべき」というものにとらわれてばかりの自分には痛い言葉です。

「事実を見ないことにはできない」「手助けが必要だが、それは差別ではない」というジェニーの言葉は、いま読んでもハッとさせられることがあります。当時の自分がどう考えていたのか、何故こんなことを書いたのかは覚えていないのですが…何事にも置き換えられる大切なことだなと思います。

『世界は彼らにキスをする』。これもまたオムニバスみたいですね。ひとりのおばあちゃん視点で話が進む、という好きなタイプのつくりです。おばあちゃんの名前は大好きなバンドの楽曲から。犬の名前は大好きなミュージカルの犬の名前でした。明確にイメージしているお店や景色はなかったのですが、読み返すと妄想力豊かだなあと思います。表紙の景色はこのおばあちゃんのお店から見た景色をイメージしてたかひささんとしらたきさんが協力して描いてくれました。むちゃぶりしたのにイメージ通りでした。

二人に一度は誓いの言葉を言ってもらおう、と夢いっぱいに書いたつもりです。「幸せなときよりもつらいときを一緒に乗り越える方が大切」という言葉は、自分が神父さんに言われた言葉で印象に残っていました。東巻ならそんなときも、家族として乗り越えられるんだと思います。

エピローグ。エロはおまけ程度でしたね…。普段ツンツンしている子が、こっそり幸せを噛みしめている、さらにそれを見てしまうパートナー、という状況がはちゃめちゃに好きなんです。ラスト本当にキラキラしてて好きだなぁ。

 

長々と書いてしまった。後で読み返したら自分が一番楽しいブログだなこれ。

繰り返しになりますが、頒布から今日までお求めくださった皆様、本当にありがとうございました。何かしらが皆様の心に残ったら嬉しく思います。